旅行の醍醐味といえば、美しい海や草花などの壮大な自然や、魅力的な町並み、温泉、オシャレなホテル…。
旅行先では、国内・海外問わず、普段は見ることのできない絶景を見られたり、友達や家族・恋人との楽しい時間を過ごしたりと、かけがえのない思い出を作ることができるでしょう。
そして、せっかくの思い出は、後から見返して、再びその時の楽しさや感動を思い出せるように、写真や動画に残しておきたいですよね。
そこでこの記事では、移動や荷物の多くなる旅行にピッタリな、持ち運びやすいカメラを紹介します。
旅行におすすめなカメラの種類
カメラといっても、いくつか種類があります。
まずはカメラのそれぞれ特徴が異なりますので、詳しくご紹介します。
ミラーレス一眼カメラ
まず、第一に写真と動画のいずれも、画質を最優先としたい方におすすめなのがミラーレス一眼カメラです。
ミラーレス一眼カメラは、一般的にコンデジ(コンパクトデジタルカメラ)やスマートフォンよりも高画質な写真・動画を撮ることができます。
プロカメラマンやYouTuberの多くがミラーレス一眼カメラを使用しています。
しかし、高画質だからといって、一眼レフほど、どっしりとした大きなボディではありません。
ミラーレス一眼カメラは、一眼レフカメラとは異なり、レンズから入る光をカメラの内部で反射させるための鏡(ミラー)がないのが特徴です。
ミラーをなくしたことで、一眼レフと遜色ない画質を維持しながら、軽量・小型のカメラとなっています。
「本格的な写真・動画が撮りたいけど、携帯性の良さも無視できない…」という方には、ミラーレス一眼カメラが最も良いと言えるです。
コンデジ(コンパクトデジタルカメラ)
コンパクトデジタルカメラ(略称:コンデジ)は、十分な画質と、圧倒的なコンパクトさを両立しているカメラです。
ほとんどのモデルが、重量200~300g前後で、サイズ感は片手で包めるほどです。
旅行中も、スマートフォンを持ち歩くような感覚で、上着のポケットに収納することも可能なため、「撮りたい!」と思った場面で、すかさず取り出してシャッターを切ることができます。
ただし、コンデジはミラーレス一眼カメラと違って、レンズの取り外しができないため、シーンに合わせて様々な種類のレンズを付け替えることは不可能です。
アクションカメラ
大人数で旅行に行く方や、マリンスポーツやウィンタースポーツなどハードなアクティビティを楽しみたいという方は、アクションカメラがおすすめです。
アクションカメラは、広範囲の写真が撮りやすいく、手持ち部分が伸縮するアクセサリーなどを使えば、アングル調整や自撮りも簡単にできます。
また、ほとんどのアクションカメラには、耐衝撃・耐低温・防塵防滴・防水・強力な手ブレ補正などのタフな機能が備わっているため、雪山や水中でも写真・動画が撮影できます。
旅行にぴったりのカメラを選ぶ時のポイント
続いて旅行用のカメラを選ぶ際に、チェックしておくと良いポイントを解説します。
持ち運びやすさはもちろんですが、その他にも、旅先であると助かる機能がいくつかあります。
携帯性は良いか
旅行に持っていくなら、携帯性の良いカメラであるに越したことはありません。
なぜなら、旅行は徒歩での移動時間や持ち運ぶ荷物の量が、普段のお出掛けに比べて多いためです。
人によって重い・大きいと感じる度合いは異なりますが、首から長時間下げても疲れなかったり、片手でも気軽に持てたりするカメラを選ぶのが良いでしょう。
ズーム域が広いか
ミラーレス一眼の場合は、キットレンズ(購入時やレンタル時に付属される交換レンズ)が選べたり、カメラと一緒に好きなレンズを購入したりする予定であれば、ズームレンズを選ぶと良いでしょう。
ズームできる範囲が広いほど、少し遠くの建物や風景から、近くのオブジェや映えるグルメ料理まで、一本のレンズで撮影することができます。
防塵防滴か
アクションカメラは心配ありませんが、ミラーレス一眼やコンデジは、可能であれば防塵防滴のモデルが良いでしょう。
なぜなら、観光中に悪天候に見舞われることや、自然の多い場所では砂埃が立つことがあるためです。
また、船やクルーズ・ボートに乗ったり、滝に近づいたりするような観光アクティビティで、水しぶきを浴びることがあるかもしれません。
カメラはデリケートな機械のため、タフ性能が備わっていないと、少しの水滴や砂埃が故障の原因になることもあります。
コンデジは、防水性能のあるモデルが尚良いでしょう。
自撮りしやすいか
自撮りのしやすさは、アクションカメラが断トツと言えるでしょう。
しかし、ミラーレス一眼やコンデジも、背面液晶モニターが縦横180°回転するバリアングル式のものもあるので、比較的簡単に自撮りを行うことができます。
また、モニターが可動しないモデルであっても、スマートフォンのアプリと連動させて、スマートフォンから遠隔操作で自撮りすることも可能です。
旅行でおすすめの撮影シーン
旅行で写真を撮影するのにおすすめなシーンと、シーンごとに最適なカメラの種類を紹介します。
ダイナミックなパノラマ風景
山々や海・湖など、美しい壮大な景色が360°見渡せる場所を訪れるのであれば、ミラーレス一眼カメラが最も良いでしょう。
ミラーレス一眼カメラは、高画質で写せるため、広い風景であっても、写真の隅々までシャープに描写できます。
花びらの質感や、マジックアワーの空を目で見た通りの色で表現することができます。
交換レンズは、焦点距離24mm前後までカバーする広角ズームレンズが相性が良いでしょう。
美しい風景を、目で見るよりも広く、壮大に切り取ることができます。
街歩きの様子
例えば、京都の祇園のような、街そのものが絵になるような観光地はスナップ撮影をするのがおすすめです。
友達や恋人と食べ歩きしている様子を撮影しあったり、自撮りしたりして楽しむことができます。
また、映えそうなロケーションや建物を見つけたら、ポートレート撮影するのも良いでしょう。
焦点距離50mm前後の画角をカバーするコンデジや、ミラーレス一眼カメラがおすすめといえます。
または、アクションカメラを片手に動画で街歩きしている様子を撮影するのも良いでしょう。
ランドマークやオブジェ
東京でいえば東京タワーやスカイツリーなど、その場所を象徴するようなランドマークや珍しいオブジェを撮影できるのも、旅行ならではの楽しみの一つといえます。
カメラは、望遠域までカバーできる高倍率ズームのコンデジ、または、複数人と建物を自撮りできるアクションカメラがおすすめです。
アクティビティ
スキーやスノーボードなどのウィンタースポーツや、シュノーケリングなどのマリンスポーツを楽しみながら、アクションカメラで写真・動画を撮影するのも、楽しいひとときを思い出として残すことができます。
アクションカメラを体に装着できる、別売りのアクセサリーがあるため、スノーボードやシュノーケリングをする本人目線の躍動感あふれる写真や動画も撮影することが可能です。
ホテル・旅館
宿泊先のホテルや旅館を撮影することもお忘れなく。
景色の綺麗なスタイリッシュなホテルや、趣のある旅館であれば尚、素敵な1枚を撮影できるでしょう。
お部屋や館内の内装、外観・ホテル・旅館と景色のセット、豪華な懐石料理や、ホテルのラウンジからの夜景など、様々なテイストの写真を撮影してみてください。
ホテルや旅館などを写す際は、広角24mmから標準70mm前後の焦点距離をカバーするズームレンズとミラーレス一眼カメラがおすすめです。
室内をメインで写す際は、画角に余裕のある広角域で、料理などをフォーカスして写す際は標準域で撮影します。
旅行におすすめなカメラ10選
旅行におすすめなカメラをご紹介します。
GoPro HERO9 BLACK CHDHX-901-FW
2020年に発売されたGoProの最新機種「HERO9 BLACK CHDHX-901-FW」です。
23.6メガピクセルの新型センサーを新たに搭載しています。
その結果、5K動画や20メガピクセルの写真を撮影可能となり、前モデル「HERO8」よりも格段に、画質が向上しています。
また、カメラ側で水平維持ができる手ブレ補正機能「HyperSmooth(ハイパースムーズ) 3.0」の搭載により、「HERO8」よりも安定感の増した、なめらかな動画を撮影できます。
バッテリー駆動時間も、これまた「HERO8」より35%アップし、より長い時間撮影を楽しめます。
もちろん、従来機に搭載されていた、タフな性能も引き継がれました。
水深10mに及ぶ防水性能をはじめとした、ハードなアクティビティにも対応できるような機能が充実しています。
GoPro HERO9 BLACK CHDHX-901-FW >
DJI POCKET 2
ドローンでその名を知られている「DJI」が、2020年に発売した最新のアクションカメラ「DJI POCKET 2」です。
同じアクションカメラの括りですが、GoProのビジュアルとは全く異なります。
持ち手のアクセサリーを用意せずとも、片手で握れるスティック型のボディが特徴です。
焦点距離20mmの広角で、ホテルの客室など室内はもちろん、大人数で自撮りしても、人だけでなく観光地の綺麗な背景も見切れずに写すことができます。
一見、「GoPro HERO9」に比べて大きく思われがちな本機ですが、本体重量はわずか117gと軽量で、おにぎり1個分よりも軽いアクションカメラです。
また、持ち運びやすさだけが魅力ではありません。
画質は従来機「Osmo Pocket」の1200万画素から、6400万画素と約5倍以上向上しました。
さらに、動画の画質も4K60fpsと申し分のないスペック。
片手に持って、気軽に高画素の本格的な写真・動画を撮ることができるでしょう。
Osmo Action
続いてのアクションカメラもDJI製の「Osmo Action」です。
2019年に発売され、そのビジュアルがGoProと非常に似ており、GoProのライバルに位置づけられています。
同年に「GoPro8」が発売されたことから、様々なコンテンツで比較されていました。
結論は、GoPro8とのスペックは遜色ありません。
また価格も比較的リーズナブルな設定となっています。
強力なタフ性能や広角撮影、安心の手ブレ補正など、ハードなアクティビティに対応できる、十分なスペックを備えていると言えるでしょう。
類似品「GoPro8」と本機を迷った際の決め手としては、「自撮りをしながら動画撮影したいか否か」です。
なぜならば「Osmo Action」には、GoProにはない、ボディ前面に配置されたモニターがあるためです。
背面モニターをダブルタップするだけで、画面が切り替わり、写している映像がボディの前面に写し出されます。
そのため、歩きながら手持ちで自撮り撮影するときなど、写っている映像を確認しながら撮影できるのです。
Nikon COOLPIX P950
お出掛け用コンデジとして、非常に高いパフォーマンスを発揮してくれるのが、Nikonの「COOLPIX P950」です。
光学83倍の高倍率ズーム機能を搭載したコンデジで、通称「ネオ一眼」ともいわれています。
コンデジであるにも関わらず、一眼カメラのような本格的なビジュアルが特徴です。
体積が広いため、カバンにしまう際に場所を取ってしまうのが少々ネックですが、重量はレンズを含めて1.0kgです。
もしかすると「他のコンデジと比べたらはるかに重い…」と思うかもしれませんが、撮影できる画角の広さを考えてみてください。
本機は83倍の光学ズームができるため、焦点距離はなんと24~2000mmで、さらに光学ズームなので、ズーム撮影しても、スマートフォンでズームしたときのように、画質が荒くなることはほぼありません。
500mm前後の一般的な超望遠ズームレンズでも、レンズ本体だけで重量2㎏前後に及ぶことを考慮すれば、本機のメリット性を充分に感じることができるのではないでしょうか。
本機なら旅行先で目に入るあらゆるものを、大きく切り取って撮影もできます。
OLYMPUS Tough TG-6
OLYMPUS(オリンパス)が発売したコンデジ「Tough TG-6」は、とにかくタフな性能に定評のある1台です。
マリンスポーツや、ハイキング、自然の中でのキャンプなど、少しハードなアウトドアが伴う旅行へ出かける予定の方におすすめと言えるでしょう。
防水性能は水深15m、耐衝撃は2.1m、耐荷重は100㎏、耐低温はマイナス10°まで対応可能と、堅牢性が非常に優れた、頼れるボディが魅力です。
アクションカメラと同じように、ダイビングやシュノーケリングをしながら水中撮影を、スノーシーズンはゲレンデでスノボーやスキーをしながら撮影を楽しむこともできます。
焦点距離は25~100mmで、4倍の光学ズームに対応しており、ズームしてアップで撮影しても綺麗な画質の写真が残すことができます。
また、開放F値(光りを取り込む機能)はF2.0まで対応しているため、朝夕の少し暗めの時間帯や室内でも、風景など広角で明るく写すことが可能です。
RICOH GR III
RICOHが2019年に発売したコンデジ「GR III」は、83,550円(税込:価格コム調べ)と、コンデジの中でも高価な上級モデルで、“高級コンデジ”といわれています。
本機は、プロのカメラマンやハイアマチュアもスナップ撮影用に愛用するほど、高い描写力を備えています。
カメラの画質を左右する要素の一つで、カメラの内部に搭載されているイメージセンサーのサイズは、人気の一眼レフやミラーレス一眼カメラにも採用されているAPS-Cサイズです。
有効画素数・約2424万画素を実現し、コンデジとは思えない繊細な画を表現することができます。
さらに焦点距離は18.3mm(35ミリ判換算28mm相当)、写真の明るさを決めるF値はF2.8と時間帯問わず、観光地のお洒落な街並みや、趣のある参道など、昼夜問わず撮影できるでしょう。
また重量は227gと、コンデジ最大のメリットである携帯性の良さは健在で、ポケットサイズの本格カメラです。
サイバーショット DSC-RX100M7
SONYが2019年に発売したコンデジ「サイバーショット DSC-RX100M7」は、SONYのミラーレス一眼の上級機モデル「α9」と同等のAF性能を搭載する1台です。
最高20コマ/秒のブラックアウトフリー連続撮影や、動く被写体はもちろん、瞳までピントを合わせて、追い続けることができる「リアルタイムトラッキング」や「リアルタイム瞳AF」などが備わっています。
例えば、観光地で出会う動物やご当地イベントの様子など、常に動きまわる人や動物でも、本機のAF性能ならピタッとピントを合わせることが可能です。
撮影経験があまりない初心者の方でも、完成度の高い1枚を残せるでしょう。
α6600 ILCE-6600M 高倍率ズームレンズキット
SONYのミラーレス一眼カメラ「α6600」のボディに、交換レンズ「E 18-135mm F3.5-5.6 OSS」が付属するレンズキットです。
α6600は、有効約2420万画素のAPS-Cサイズセンサーを搭載しており、画像データを高速処理できる、画像処理エンジン「BIONZ X」および「フロントエンドLSI」も搭載しています。
さらに光学式5軸ボディ内手ブレ補正にも対応しているため、本格的な一眼カメラを使うのが始めての方でも、手ブレなどの失敗を防ぐことが可能です。
スマートフォンで撮影した写真とは一線を画す、ハイクオリティな1枚を撮影できるでしょう。
付属のレンズ「E 18-135mm F3.5-5.6 OSS」は、広角27mmから望遠202.5mm相当(35mm判換算)をカバーする、高倍率ズームレンズで、レンズ内に光学式手ブレ補正機能が内蔵されているため、ボディの手ブレ補正と合わさり、さらに強力に手ブレを補正してくれます。
旅行などで、壮大なパノラマ風景を、肉眼で見る以上にダイナミックに写したり、空高くそびえる有名なランドマークを遠くからズームで大きく切り取ったりと、本レンズなら様々なシーンで撮影を楽しめるでしょう。
α6600 ILCE-6600M 高倍率ズームレンズキット >
FUJIFILM X-T30 18-55mmレンズキット
FUJIFILM(富士フイルム)のミラーレス一眼カメラ「X-T30」に、ズームレンズ「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」が付属するレンズキットです。
「X-T30」は2610万画素・APS-Cセンサーを搭載しており、高画質の描写を可能にしながらも、小型・軽量化を実現しています。
本機の重量は、わずか333gで、同じセンサーサイズのα6600が重量418 gということを考慮すると、そのコンパクトさが想像できます。
ずっと首から下げたまま、街歩きや観光を楽しめる一眼カメラと言えるでしょう。
ただし、本機はボディ内手ブレ補正が搭載されていない点が弱点とも言えます。
小型・軽量を実現するためには、やむを得ないことかもしれませんが、初心者の方にとっては少々ネックかもしれません。
確実に手ブレを防ぐために、シャッタースピードを速めて撮影するのが良いでしょう。
付属のレンズ「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」は、広角27mmから中望遠84mm(35mm換算)までカバーするズームレンズで、様々なシーンで活躍してくれるでしょう。
FUJIFILM X-T30 18-55mmレンズキット >
EOS RP RF35 MACRO IS STM レンズキット
Canonが2019年に発売したミラーレス一眼カメラ「EOS RP」に、広角・単焦点レンズ「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」が付属するレンズキットです。
「EOS RP」は、有効約2620万画素のフルサイズセンサーを搭載しており、さらに常用ISO感度はISO100~40000を実現しています。
例えば、薄暗い場所での撮影など、明るさを調整して、画質の荒れが気になるシーンでも、本機はフルサイズならではの高画質を見せてくれます。
また、被写体にピントを合わせるためのAF性能が高く、瞳AFをオンにすれば、動く被写体を追従しながら瞳にピントを合わせ続けてくれます。
付属のレンズ「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」は、広角35mmF1.8の単焦点レンズで、ズームレンズよりも画質性能が高く、背景などに繊細なボケを出すことができます。
ワンランク上の写真に仕上げたい方は、単焦点レンズが良いでしょう。
EOS RP RF35 MACRO IS STM レンズキット >
まとめ
旅行にぴったりの、持ち運びに便利なカメラを紹介しました。
紹介したカメラの中でも、どれが一番良いのか分からなくなってしまったら、旅行で特に撮影したいシーンを優先して選ぶのが良いでしょう。
撮影シーンごとに最適なカメラの種類も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
日帰り旅行も・宿泊を兼ねた旅行でも、荷物の負担が少ないカメラを選んで、撮影も観光も楽しみましょう。