「毎月気づいたらお金を使いすぎていて、一向に貯蓄できない」
このような思いを抱えている方は少なくないのでないでしょうか。
収支をしっかり把握して、毎月少しずつでも貯蓄を増やしたいもの。
そのために、家計簿をつけてしっかり家計を管理することが最善策なのは事実。
しかしながら、
「面倒くさそうで踏み込めない…」
「毎日の仕事や家事で、手が回らない…」
という方がほとんどでしょう。
そこで本記事では、そんな方のために、家計簿を続けるポイントや付け方のコツ、賢くやりくりするための方法などを、分かりやすく解説します。
Contents
家計簿をつけるメリット
家計簿と聞くと、堅実な主婦やキチンとしたやりくり上手な人が、毎日管理しているイメージがあるのではないでしょうか。
「面倒くさがりの自分には無理…」
と諦めず家計簿をつけるために、まずは家計簿をつけることで得られるメリットを解説します。
【メリット】
- 家計のお金の流れを把握できる
- 不要な支出があることに気付くことができる
- 金額を減らせる固定費が分かる
家計簿を付けている方の多くが、上記のメリットを得ています。
また、これらとは逆に、お金の流れを把握しておらず、固定費の支払いに追われ、浪費してしまっている方いるでしょう。
そんな方は、一歩一歩家計簿について学ぶことで、少しずつ暮らし上手な生活に切り替えられるかもしれません。
家計簿を続けるためのポイントとは?
「以前、家計簿をつけていたけど1ヶ月しかつづかなかった…」
「家計簿をつけ始めても、飽きやすいから続けられる自信がない…」
そんな方は、家計簿=どの項目もすべて把握して、きっちり完璧に管理するべきという、固定概念にとらわれている可能性あります。
その結果、「家計簿をつける」ことを「大変で、大がかりなこと」と認識してしまい、家計簿が嫌になってしまうのです。
そこで、家計簿をつける際に意識すると良いポイントを知っておきましょう。
【続けるためのポイント】
- 細かい項目を増やさない
- ルールを設定しすぎない
- 目標を設定しない
- 家計簿をつけて終わりにしない
それぞれ解説します。
細かい項目を増やさない
家計簿は、食費や光熱費など、支出の種類ごとに項目を分けて、金額を記入していきます。
このとき、例えば交際費に分類される費用を、さらに細かく項目分けしてしまうことは避けるようにしましょう。
すべて交際費に分類しても良いところを、会食・娯楽・外食など、さらに細かく振り分けたくなってしまう方もいるかとは思いますが、ややこしく面倒にしてしまう要因の一つです。
凝り性の方に多い落とし穴かもしれません。
ルールを設定しすぎない
自らを追い込むような、ルールを設定するのもやめておきましょう。
自分で自分の首を絞めることになってしまいます。
例えば、毎日絶対寝る前に家計簿をつけるなどは、自分の生活を締め付けてしまうことにもなります。
数日溜めて、まとめてやってしまっても良いのです。
肩の力を抜いて、自分のペースで家計簿をつけていくのが長続きの秘訣です。
目標を設定する
肩の力を抜くのが長続きの秘訣とはいえ、家計簿をつけることの最終的なゴール・目標を設定するのは大切です。
「3年後までに、貯金○○万円達成させる」
「マイホームを建てるために○○万貯金する」
など、その目標を達成するために、必要な毎月の貯蓄額を算出します。
ちなみに、目標額は現実的な上で、節約しないと達成できない額にするのがオススメです。
家計簿をつけて終わりにしない
その月の家計簿を締めたらそれで終わりにするのではなく、しっかり振り返ることも大事です。
月の目標貯蓄額に達成できなかったら、その原因を考察して来月に活かしたり、達成できたら、自分を褒めたりしてあげましょう。
それがモチベーションにも繋がります。
家計簿につけるべき項目は?
いざ家計簿をつけようと思ったとき、どの費用をどの項目でつけたら良いのか迷ってしまうこともあるでしょう。
出費をどの項目に振り分けて、どのように分類すれば良いのか、始めて家計簿をつける方はなおさら、難しく感じる部分かもしれません。
そこで、下記で家計簿につけるべき項目と、そうでない項目をそれぞれ一覧にしました。
家計簿につけた方が良い項目
家計簿で抑えておきたい項目は、「ほとんど毎月出費のある」項目です。
- 居住費
- 水道光熱費(電気、ガス、水道)
- 通信費(インターネット、携帯など)
- 保険料
- 交通費(ガソリン代、電車代、高速料金など)
- 食費
- 日用品費
- 教育費(塾、給食費など)
上記は例のため、出かけるときだけ電車やレンタカーを使うという方は交通費を外す、子供がいない方は教育費を外す、毎月必ず美容室に行く方は美容費を追加する。
といったように、上記を参考にしながらも、不要なものは排除して、必要なものは追加してみてください。
家計簿にけるべきではない項目
逆に家計簿につけるべきではない項目は、「毎月ではなく、たまに発生する出費」です
- 外食費
- 医療費
- 衣料費
- 交際費
- 美容費
- 娯楽費
上記のような、イベントごとがある時期にかかる交際費や、風邪を引いたときなどに必要な医療費は、出費が発生した月だけ加えるようにしましょう。
また、雑費または特別費などとして、まとめてしまうのが良いです。
おすすめの家計簿の種類
家計簿のつけ方は大きく手書きとアプリの2つがあります。
それぞれメリットがあるので、以下で解説します。
ストレスなく家計簿をつけるのがベターなので、自分に合った方法を採用してください。
家計簿アプリ
まずは、スマートフォンの専用アプリなどで家計簿をつける方法を解説します。
下記はユーザー数の多い人気の家計簿アプリです。
- マネーフォワード
- 家計簿Zaim
- 家計簿Moneytree
家計簿アプリのメリット
- キャッシュ払いでもレシートを撮影するだけで購入品を読み込める
- 銀行口座やクレジットカードと連携できる
- グラフなどにまとめてくれる
アプリでは、クレジットカードや銀行口座と連携すると、引き落としや履歴からアプリ側で判断して出費項目を振り分けてくれます。
また、月のグラフや一覧を自動で作成してくれるため、どの項目で出費がかさんでいるのか、または余裕があるのかなどが一目で確認することができます。
つまり、毎月アプリで家計簿を管理していくことで、過去の家計簿と比較して、季節による変動や、節約の成果が簡単に可視化できるのです。
家計簿アプリに向いている人
アプリに向いている人は下記のような方です。
- 過去の出費とすばやく比較したり、出費を簡単に振り返ったりしたい人
- 自分で計算するのが苦手、字を書くのが好きではない人
- とにかく時短したい人
家計簿アプリは、口座の残高や入出金、カードの引き落とし額や履歴もカレンダーなどで確認でき、非常に便利な機能が豊富です。
操作も簡単なため、一度試してみると良いでしょう。
手書き家計簿
続いて、手書きの家計簿を解説します。
手書き家計簿のメリット
手書き家計簿のメリットは、ノートとボールペンさえあれば、誰でも簡単に家計簿をつけることができます。
また、自分が最も見やすい形でまとめられる点も、メリットといえるでしょう。
複雑な機能はないため、無駄なノイズもなく、収入と支出を簡潔にまとめることができます。
手書き家計簿に向いている人
下記のような方は、手書き家計簿が向いています。
- スマートフォンの操作が苦手・慣れていない方や、あまり好きではない方
- 字を書くのが好きな方
支出を抑えて貯金を増やすための節約術とは?
ここからは、家計簿をつけたことにより、1ヶ月のお金の流れを把握できた後のステップです。
支出を洗い出して、無駄遣いが多いことや、貯蓄ができていないことを再認識して落ち込んでいる方もいるのではないでしょうか。
ですが、ご安心ください。
把握できたことが、大きな一歩です。
これを見て見ぬふりしてしまっては、何も変わりません。
マイホームの購入や将来のために貯金をしたいなど目標を考え、重い腰を持ち上げて家計簿に挑戦しようとしたと思います。
その時の気持ちを忘れず、次のステップに進みましょう。
支出を確認した後、節約ができる項目(無駄遣いの多い項目)を見つけ出します。
少しでも無駄な出費を減らして、節約できるように変えていきましょう
食費の節約方法
家計の支出で多くを占めるのが食費です。
同時に、食費に重点を置いて節約を行っている人もいるかもしれません。
食費は、節約しているか否かで大きく差が出ます。
また頻繁に外食にいったり、出前やテイクアウトを利用したりするような家庭は、食費が家計を圧迫していることがあります。
家計簿の見直しを行って、食費を節約するべきと感じた方は、下記で食費節約の方法を参考にしてみてください。。
週ごとの食費を計算する
家計簿をつけて食費で無駄遣いをしていると気づいた後、一番にやるべきことは、週ごとの食費を把握することです。
その月の各週での食費が分かったら、少しずつその額を減らせるようにしていきます。
例えば、ある月の1週間の食費が平均1.5万円だった場合、今後は1.0万円でやりくりできるように目標と計画を立てていくのです。
あらかじめ、1週間に使える食費の額を設定することで、自然とその額をオーバーしないように行動を抑制する目的があります。
週頭に使いすぎたら、週末はブレーキをかけるなど、あらかじめ上限を決めておくことで、どんどん節約体質に近づけていくのです。
買物の内訳を記録する
スーパーで食材の買い物をするたびに、その内訳を記録します。
手書きで家計簿をつけている方は少し気の遠くなる作業かもしれませんが、家計簿アプリではレシートをスマートフォンのカメラで撮影するだけで、商品名と金額を自動で読み取って記録してくれます。
手書きの方はレシートをまとめて、食材の種類ごとにカラーのマーカーでラインを引いておくと良いでしょう。
購入したのに、結局食べずに期限切れになってしまったものなど、無駄な品物が浮き彫りになってくるかもしれません。
そこでの学びを次のお買物時に活かしましょう。
1週間の献立を前もって決める
一人暮らしの方は難しいかもれませんが、主婦の方など、料理が得意な方におすすめの方法です。
あらかじめ1週間分の献立を決めておいてから、スーパーで買い物する前に、購入するものをリスト化します。
足りなくなってから買い物に行くのではなく、1週間分をまとめて1度のお買物で済ませます。
買い物に行く回数が多いほど、無駄遣いも増えてしまう可能性があると認識しておきましょう。
また、1週間分のメインの料理と副菜は、週末にまとめて作ってしまうのも良いでしょう。
下ごしらえを済ませておいて冷凍保存をしておけば、食べる時は過熱だけで済ませることができるので、平日の料理の負担を減らすこともできます。
さらにガス・電気の節約にも繋がり、負担が減って一石二鳥とも言えます。
通信費の節約方法
定期的に見直すことで、コスト削減が期待できるのは、携帯電話料金です。
各キャリアでは、“○○割り“など頻度高く料金プランがアップデートされています。
そのため、定期的に料金プランを見直すと良いでしょう。
案外、現在コスパの良いプランがあるにも関わらず、数年前に契約したプランのままで、毎月無駄な分の携帯料金を払っていたなんてこともあります。
また、キャリアの乗り換えも検討した方が良い場合もあります。
自身の生活スタイルに合わせて、最もお得なキャリアを選択するようにしましょう。
ネット回線が使い放題の物件に住んでいる方なら、ギガ数の上限を落とすことで、毎月数千円の節約になることも少なくありません。
大手三大キャリアを使用している方は、例えば格安スマホへの乗り換えも一度検討してみるのも良いでしょう。
水道・光熱費の節約方法
水道・光熱費などの固定費も削減できないか見直します。
電力会社・プランを見直す
今は電力自由化の時代です。
電力会社によって、電気の種類や質が変わるということはないので、電力会社の変更やプランの見直しなども、面倒なことかもしれませんが一度は行っておくと良いでしょう。
1枚のクレジットカードで水道・光熱費の支払いをする
直接的な節約ではありませんが、1枚のクレジットカードにまとめるだけで、年間にするとそれなりにポイントを貯めることができます。
ひとつ前の項目で解説した、携帯料金のお支払いも、同様のクレジットカードからの引き落としにすると良いでしょう。
普段必要な固定費の支払いでポイントが自然に貯まっていくのは、ありがたいですよね。
直接的な節約ではありませんが、貯まったポイントを日用品のお支払いに充てるなど、活用方法も様々です。
普段の生活で水道・光熱費の無駄を意識する
シャワーの出しっぱなしや、コンセントの差しっぱなし、電気のつけっぱなし、エアコンの過剰な温度設定など…。
こういった日頃の無駄遣いが蓄積は、毎月の支払金額で大きな差は感じないかもしれませんが、年間にすると、数万円単位の節約になることもあります。
また、炊飯器や電子レンジ・オーブン、ミキサーなどの各家電のコンセントをずっと差しっぱなしにしているということはありませんか?
家電の電源は入っていなくても、待機電力という電気が発生しているため、電気代が掛かってきます。
ささいなことと感じるかもしれませんが、「使う時だけコンセントに差す」というクセを付けるだけで電気代の節約に繋がるのです。
他にもシャワーでつい流しっぱなしになっているということはありませんか。
洗い流すときだけ使うことと、できるだけ短時間で済ませることを意識して、ガス・水道代の節約に繋げましょう。
美容・衣料費の節約方法
これらは、頻繁に発生する出費ではありません。
しかし、社会人で独身の方など、自由に使えるお金があると、ついつい無駄に使ってしまうこともあるでしょう。
特に女性の場合、髪のお手入れやネイル、コスメなどに浪費してしまうことも。
また、こちらは男女関係なく、ハイブランドの衣服や、バッグなどの小物にお金を費やしてしまうなんてことも…。
ご褒美の域を超えて、ついつい使ってしまう方は、美容・衣料費に充てる出費を、あらかじめ設定しましょう。
そうすることで、設定した金額を超えないように、ブレーキを掛けることができます。
交際費の節約方法
美容・衣料費に続いて、交際費も、気づいたら使いすぎてしまいやすい項目です。
仕事の付き合いで、仕事後の飲み会などが頻繁に開催されるなど、避けては通れない方もいるかもしれません。
しかし、コントロールできる部分は、できる限りしっかりコントロールしてやりくりをするのが大切です。
まず一度1ヶ月間の交際費の内訳をすべて洗い出してみましょう。
何のための集まりで、何をしたのかなど。
やむを得ないことを覗いて、ただ惰性でダラダラ飲むだけの会などがあった方はチャンスです。
行きたくもない飲み会に、せっかく働いたお給料を費やすのは、もったいないことです。
メリハリを付けて、断れる場面はきっぱり断るなどして、オンオフを切り替えましょう。
余裕ができたら将来のためにやるべきこと
家計簿をつけて家計を把握し、節約で支出を抑えることで、貯蓄をする余裕ができてくるでしょう。
本項では、節約して貯金できる余裕ができてからのことを少し触れていきたいと思います。
少額投資に挑戦してみる
まずは初心者でも比較的安心して始められる、「つみたてNISA」などの積立投資を始めてみると良いでしょう。
「つみたてNISA」とは、2018年にスタートした積立投資専用の少額投資非課税制度のことで、投資で生みだした利益を非課税で受け取ることができます。
特徴は、積み立て年金のように、毎月、自身で決めた金額が口座から引き落とされる点。
事前に選んでおいた金融商品が自動購入されます。
積立額の上限は、毎月3万3,333円で購入できる金融商品は、投資信託・上場株式投資信託(ETF)のみとなっています。
運用自体はプロが代わりに行ってくれるため、投資に詳しくない初心者でも気軽に始められるものと言えるでしょう。
将来のために、無理のない金額から始められる、堅実な投資といえます。
資産形成できる生命保険を検討してみる
投資とは別軸で、将来のために今から資産形成を始められるのが生命保険です。
生命保険には、万が一のための保険の他に、貯蓄の機能まであるタイプがあります。
毎月支払う保険料の何割かが、貯蓄に充てられる仕組みのものから全額運用に回せるものまで様々。
保険のプロであるファイナンシャルプランナー(FP)や、すでに加入している保険会社の担当に相談してみてください。
自分の年齢や生活スタイル、保険を掛けたい範囲などによって、最適なプランが何か、アドバイスしてもらいましょう。
まとめ
家計を上手く管理して、貯金を増やしたい方のために、家計簿のつけ方と節約について解説しました。
家計簿を続けるためのコツや、つけるときのポイント、賢く節約するための方法など…。
これから家計簿を始める方は、是非この記事を参考にしてみてください。
家計簿をつける目的や、つけ方の方向性がずれていないか確認するためでも良いでしょう。
無理なく家計簿に挑戦して、コツコツお金を貯めていける体質を作りましょう。